電験に挑戦してみたいんだけど 電験2種と3種の違いがイマイチよく分かりません。
どちらを受験すべきでしょうか?
初めて電験を受験する人は違いがよく分かりませんよね。試験概要や難易度の違いからどちらを受験すべきかお答えします!
- 試験概要における電験2種と3種の違い
- 電験2種と3種の難易度の違いは?
- 電験2種と3種の違いを踏まえどちらを受験するべきなのか?
まずは、私の電験歴です。電験2種と3種両方取得した私が実体験に基づいて違いをお答えします。
電験三種 | エネ管 | 電験二種 | |
2014年度 | 法規以外 3科目合格 | ||
2015年度 | 法規合格! | 一発合格! | 一次試験 合格 |
2016年度 | 二次試験 不合格 | ||
2017年度 | 一発合格! |
電験2種と3種の違い①:試験概要について
まずは試験概要から電験2種と3種でどう違うのか説明したいと思います。
その前に皆さんはそもそも電気主任技術者が何かをご存知でしょうか。
電気主任技術者とは?
電気主任技術者(でんきしゅにんぎじゅつしゃ)とは、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者である。電気主任技術者の指名に際しては、事業場の規模により、第一種、第二種及び第三種電気主任技術者免状の保有者のうちから選出しなければならない。国家試験が「電気主任技術者試験」と称することから電験(でんけん)、あるいは区分呼称をつけて電験○種と略されることがある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり事業用電気工作物の設置者(所有者)は必ず電気主任技術者を選任しなければいけません!
さらに使用電圧によって選任できる電気主任技術者が異なります。
- 第一種電気主任技術者・・・すべての事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
- 第二種電気主任技術者・・・電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
- 第三種電気主任技術者・・・電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力 5千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
ちなみに試験名が「電気主任技術者試験」であるため略して「電験」と言われ、
第〇種電気主任技術者=電験〇種と同じ事を言っております。
第*種の数字が小さくなるほどより高い電圧まで監督することができ、電験2種を所有していれば電験3種が必要な範囲は網羅できております。
つまり電験1種を持っていれば2種も3種も必要ありません!2種を持っていれば3種は必要ありません!
じゃあ電験1種を取ればいんじゃないの?
簡単に言えばそうですが、試験の難易度が大きく異なる為そう簡単にはいきません!
試験概要の違いは出題形式にあり!
電気主任技術者が何か知ってもらったところで、次に試験概要がどう違うのかを比較してみました。
電験1種 | 電験2種 | 電験3種 | |
受験資格 | 誰でもOK | 誰でもOK | 誰でもOK |
試験回数 | 年1回 | 年1回 | 年1回※ |
出題形式 | 1次試験:マークシート 2次試験:記述式 | 1次試験:マークシート 2次試験:記述式 | マークシート |
科目別合格制度 | 一次試験有り | 一次試験有り | 有り |
出題形式の違いをみてみると電験2種と1種は2次試験まであり、3種の試験は1回となっております。
この出題形式が大きな違いなんです!マークシートであれば分からないところがあっても何となく分かっていれば正解できる可能性があります。
しかし記述式はそうはいきません!0から自分の力で問題を解いていく為本当に理解していなければ運が良くても合格はできないのです。
電験2種に運が通用するかどうかは別記事にて書いていますので良ければご覧ください!
それ以外については特に大きな違いは無いといえますが、電験3種は2022年度より出題形式がCBT方式、試験回数も年2回開催となることから大きく違いが出てくることが予想されます。
- 電験2種は使用電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物、電験3種は使用電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の電気主任技術者になる為に必要な資格
- 電験2種と3種は出題形式に大きな違いがある
- 電験3種は2022年度からCBT方式且つ年2回開催に変更されることで電験2種との違いが更に出てくる
電験2種と3種の違い②:難易度について
では難易度はどのくらい違うのでしょうか。まずは合格率の違いを比較してみました。
電験2種の合格率の方が電験3種の合格率より低い
比較の条件ですが、電験2種は1次試験と2次試験があり、さらに電験2種と3種にはどちらも科目合格がある為少し複雑です。
よってここでは単純に受験者数と合格者から合格率を比較してみました。ついでに電験一種も比較しています。
電験1種合格率 (合格者/1次試験受験者) | 電験2種合格率 (合格者/1次試験受験者) | 電験3種合格率 (合格者/受験者) | |
令和2年度 | 8.9% | 11.2% | 9.8% |
令和元年度 | 6.6% | 8.3% | 9.3% |
平成30年度 | 5.4% | 5.7% | 9.1% |
平成29年度 | 5.5% | 4.8% | 8.1% |
平成28年度 | 4.9% | 7.0% | 8.5% |
電験1種と2種の合格率についてはほとんど一緒でしたが電験3種はそれらよりも少し高い結果になりました。
よって合格率では電験2種の方が3種より取得が難しいと言えます。
必要な勉強時間の違いは倍以上違う
続いて必要な勉強時間についてです。
正直に言いますと必要な勉強時間は人によってバラツキが大きく正解はありません。
なので同じ人が電験3種と電験2種を受験した時に必要な勉強はどちらが多いか?の観点でお伝えしたいと思います。
電験3種に必要な勉強時間は一般的に1,000時間と言われおります。
これはもちろん人によって違っていて私の場合は340時間かかりました。
電験3種の勉強時間については別記事にも書いている為良ければご覧ください!
では電験2種はどれくらいかかるのでしょうか?
一般的に言われている電験2種に必要な勉強時間は2,000~3,000時間もしくは電験3種取得後+1,000時間と言われております。
よって電験2種の方が電験3種より倍以上勉強時間が必要という事が分かります・・・
ちなみに私も電験3種取得後に630時間かけておりますので倍近くかかっていた事が分かります。
電験2種の勉強時間についても別記事にも書いている為良ければご覧ください!
- 電験2種の合格率は大体5~8%,電験3種の合格率は大体8~10%
- 必要な勉強時間は電験2種の方が電験3種より2倍以上かかる
電験2種と3種の違いを踏まえどちらから受験するべきなのか?
試験概要や難易度の違いを知ってもらったところで電験3種と電験2種のどちらを受験するべきかお伝えしたいと思います。
電験3種を受験すべき人
もう皆さんお気付きだと思いますが、電験2種と比べると電験3種の方が“易しい”です!
(もちろん電験3種も難関資格ですよ!)
出題形式がマークシート試験のみという点や必要な勉強時間を見ても電験3種の方が取得しやすいのは明らかです。
電験3種を取得していれば希望の仕事に就ける!という人は迷わず電験三種ですね!
また、電験3種の内容は殆ど電験2種で必要な勉強となっております。
よって電験2種を目指す上で電験3種を取得する事は殆ど寄り道にはなりません!
電験2種の取得をそこまで焦っていない人はまずは電験3種を取得していいかもしれません。
- 第三種電気主任技術者(電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物)の範囲での仕事を考えている人
- 電験2種の取得を希望しているが取得に急いでおらず電験を0から勉強したい人
電験2種を受験すべき人
電験2種から取得する人はいきなり高いハードルを越えようとする強者であり尊敬に値します!
電験2種を取得する上で電験3種から取得する事はそれほど寄り道にはなりませんが、出題形式が違う事は間違いないので電験2種を最短で取得したいならば電験3種から取得する必要は無いでしょう。
しかし電験2種から取得する事は簡単ではありません。しっかりと戦略を立てて計画的に進めることをオススメします!
仕事の関係で早急に取得したい、電験2種を取得して第二種電気主任技術者の仕事に就きたいという人は直接狙ってもいいかもしれませんね。
電験3種から取得を目指すとなると年1回の試験という特性上どうしても時間はかかってしまいますから・・
- 第二電気主任技術者(電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物)の仕事を考えている人
- 早急に電験2種を取得したい、取得しなければいけない人
- 電験に関する知識を既にある程度知っている人
まずは電験3種から取得する事をオススメします!
両方取得した私の経験から言うと、どちらも目指すにしても電験3種から取得する事をオススメします!
電気電子系学科の大学を卒業した私でも電験3種の理論以外はほぼ全て所見でした・・・
そのような状態で電験2種から勉強すると考えるとハードルはかなり高いです。
また、電験2種の参考書は3種の参考書にあるような基礎内容が書かれた参考書があまりありません。
あったとしても3種の参考書程分かりやすく書かれておりません・・・・
3種から取得する事はそれほど寄り道にならない為まずは3種を取得し“電気の基礎知識”と“自信”をつけることをオススメします!
それもでも早く電験2種を取得したいんだ!という人は最短で電験3種と電験2種を取得する方法を記事にしていますのでこちらを読んで3種を取得すべきかどうか検討してみてください!
- 電験3種の内容は殆ど電験2種で活かすことができ、それほど寄り道にはならないから
- 電験2種の参考書には基礎を勉強できる良書が少ないから
- 電験3種から取得することで“電気の基礎知識”と”自信”をつけることができるから
- 電験3種から取得しても2~3年で取得できる受験の仕方が存在するから
以上が電験2種と3種の違いとどちらを受験すべきかについての説明でした。いかがでしたでしょうか?
電験の受験の仕方は人それぞれですので本記事を参考にどちらを受験するべきか検討してみてください!
ではまた!