電気主任技術者が保安監督する電気工作物が正直分かりません・・・
ボヤっとは覚えてるんだけど・・・
電気工作物って電験の勉強では出てきたけどあまり聞きなれた言葉ではないですね!
今回は電気工作物についてしっかり解説していきます!
- 電気工作物の定義と範囲
- 電気工作物の分類(一般用電気工作物と事業用電気工作物)
まずは、私の電験歴です。電験2種・3種に合格した私が電気工作物について解説します。
電験三種 | エネ管 | 電験二種 | |
2014年度 | 法規以外 3科目合格 | ||
2015年度 | 法規合格! | 一発合格! | 一次試験 合格 |
2016年度 | 二次試験 不合格 | ||
2017年度 | 一発合格! |
電気工作物とは何か?
まずは電気事業法から電気工作物の定義とその範囲について説明します。
電気工作物の定義
電気工作物は電気事業法で以下のように定義されています。
電気工作物 発電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。
電気事業法 第2条
簡単に言うと“電気を供給する為に必要な設備”です。
電気工作物の一例(電気を供給する為に必要な設備)
・発電所
・変電所
・送電線路
・配電設備
電気設備・機械以外でも電気を供給する為に設置している貯水池や水路も電気工作物です!
電気設備かどうかよりは電気を供給する為に設置しているかどうかで判断するんだね~
電気工作物の対象外 家電は電気工作物なのか?
電気工作物の定義は分かっていただけたと思いますが、どこまでが電気工作物となるのでしょうか??
電気工作物から除かれる工作物の定義は以下になります。
(電気工作物から除かれる工作物)
第一条 電気事業法(以下「法」という。)第二条第一項第十八号の政令で定める工作物は、次のとおりとする。
一 鉄道営業法、軌道法若しくは鉄道事業法が適用され若しくは準用される車両若しくは搬器、船舶安全法(昭和八年法律第十一号)が適用される船舶、陸上自衛隊の使用する船舶(水陸両用車両を含む。)若しくは海上自衛隊の使用する船舶又は道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車に設置される工作物であつて、これらの車両、搬器、船舶及び自動車以外の場所に設置される電気的設備に電気を供給するためのもの以外のもの
二 航空法第二条第一項に規定する航空機に設置される工作物
三 前二号に掲げるもののほか、電圧三十ボルト未満の電気的設備であつて、電圧三十ボルト以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの
(電気事業法施行令第1条)
ちょっと難しいなぁ~~
簡単に言うとこんな感じです!
電気工作物ではない設備
①航空機・鉄道車両、船舶、自動車などに設置される電気設備
②単独の30V未満の電気設備
③NTT,NHKなどの通信設備
では冷蔵庫や洗濯機などの家電製品は電気工作物なのか??
疑問に思う方もいると思います。
私の結論から申し上げますと・・・・家電製品が電気工作物かどうかは分かりません!!(ごめんなさい)
理由は定義を読み解いてもどちらともとれるからです。
電気工作物の定義を考えると家電製品は電気を使用する為に設置する機械では無いので”電気工作物ではない”と言えます。
しかし、電気工作物の対象外の定義を見ると家電製品は電圧100V以上と電気的に接続されており対象外に該当しません。
つまり裏を返せば”電気工作物である”と言えます。
家電製品が電気工作物かどうかはネット上でも意見が割れておりどちらが正解がはっきり言えません。
全ての電気設備を電気工作物かどうか白黒つけることは難しいですね。
はっきりさせなくてもいいものは法律上あまり支障ないってことだね
電気工作物の分類
続いて電気工作物の分類について解説していきます。
電気工作物は以下のように分類できます。
たくさん分類があるのね・・・
低圧で受電=一般用電気工作物、高圧で受電=自家用電気工作物 を覚えて、あとは例外を覚えていけばそこまで複雑では無いですよ!
一般用電気工作物とは?
まずは一般用電気工作物についてです。
一般用電気工作物とは、主に一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、他の者から低圧(600 ボルト以下)の電圧で受電している場所等の電気工作物をいいます。
よって低圧で受電しているで場所は一般用電気工作物といえます!
コンビニや住宅は一般用電気工作物になりますよ~
意外と覚えやすいんだね!!!
但し一部例外があり、低圧で受電していても一般用電気工作物にならないケースもあるので気を付けてください!!
低圧で受電する場合でも一般用電気工作物に該当しない(自家用電気工作物に該当する)ケース
①構内に小出力発電設備以外の発電設備がある場合
②構外にわたる電線路を有している場合
③爆発や引火の危険性がある火薬工場と炭鉱の場合
えーーーーーとっ 小出力発電設備って何だっけ??
小出力発電設備とは、低圧(600V以下)の発電設備です。
出力は以下のようになります。
小出力発電設備 | 出力 |
太陽光発電設備 | 50kW未満 |
風力発電設備 水力発電設備 | 20kW未満 |
内燃力発電設備 燃料電池発電設備 | 10kW未満 |
各発電設備の出力の合計 | 50kW未満 |
事業用電気工作物とは?
事業用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物です。
そして、事業用電気工作物は“電気事業の用に供する電気工作物”と、“自家用電気工作物”に分類されます。
“電気事業の用に供する電気工作物”は、電気事業者が電気の供給を行うために設置される電気工作物です。
発電、変電、送電、配電のための電気工作物、またはこれら設備を設置する事業所に設置される電気工作物がそれにあたります。
主に電力会社の電気供給用設備が該当し、発電所や変電所といった大規模施設も電気事業の用に供する電気工作物となります。
そして一般用電気工作物または電気事業の用に供する電気工作物以外の電気工作物は、”自家用電気工作物”として定義されます。
工場やビルなどの高圧で受電する事業場は自家用電気工作物として分類されます。
電力会社から高圧で受電を行う場合は全て自家用電気工作物という認識でいいよ!
高圧=自家用電気工作物 分かりやすいね~~
但し、先ほどの例外もあるので気をつけてくださいね!
低圧で受電する場合でも自家用電気工作物に該当するケース
①構内に小出力発電設備以外の発電設備がある場合
②構外にわたる電線路を有している場合
③爆発や引火の危険性がある火薬工場と炭鉱の場合
また、事業用電気工作物については電気主任技術者の選任が必要になります。
電気主任技術者については別記事にて書いていますので良かったら読んでみてください!
以上が電気工作物の定義と分類についてになります。いかがでしたでしょうか?
電気工作物の定義と分類については電験三種の法規でも出題されていますのでしっかりと覚えておきましょう!!
この記事を読んでおけば電気工作物の定義は大丈夫だね